神殺しのクロノスタシスⅣ
「全く。君達は本当、優しくないね。僕に優しさを教えてくれるんでしょ?」

ピンク小人は、偉そうな口ぶりで言った。

「自分達から志願したんじゃないか。僕に『優しさ』を教えてくれるって」

「優しさを教えるとは言いましたけど、我儘に付き合うとは言ってませんよ」

よく言った、ナジュ。

その通りだ。

しかし、ピンク小人は素知らぬ顔。

「こんな調子じゃあ、七日後には二人共死んでるね〜。茨の毒が回ってお陀仏だ」

「…」

この野郎…。

こちらの弱みを握ってるからって…。

「それが嫌なら、もっと僕に優しくすることだね」

「…良いでしょう、分かりましたよ」

と、ナジュが答えた。

「天音さんを巻き込む訳にはいきませんからね。ちゃんと優しくしてあげますよ…。何が望みなんですか?」

「ぼ、僕も…頑張るよ。ナジュさん一人にやらせる訳にはいかないし、七日間の辛抱だし…」

天音も、ナジュに同意。

二人共偉い。偉過ぎる。

俺なら、とっくに匙を投げてるところだ。

「よーし、そうだな…。じゃ、まずは夕食に、フレンチのフルコースをお願いしようかな」

「…」

「…やっぱり僕、前言撤回しても良いですか?」

ナジュよ。その気持ちは痛いほどよく分かる。

だが、契約の指輪が結ばれている以上…前言撤回は不可能だ。

「…やれやれ、ご愁傷様ですね」

イレースは、他人事のようにそう呟くのだった。
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