神殺しのクロノスタシスⅣ
外伝
――――――…私事ではありますが。

最近、

「あ、ナジュ君。隣座っても良いかな?」

「えぇ、どうぞ」

「じゃあ、お邪魔します」

同じイーニシュフェルト魔導学院教師陣の仲間である、天音さんと。

…仲が良い。

こうして、食堂で隣に座って、昼食を摂るくらいには。

…何だか不思議な感覚ですよね。

「今日のデザートはチョコプリンかー…。普通のプリンじゃなくてチョコプリンなことに、イーニシュフェルト魔導学院だなーって思うよね」

「ですよねー。僕は普通のでも良いんですけど…」

「僕も。でも、学院長先生はチョコの方が好きなんだろうなぁ」

なんて、他愛ない会話をしながら。

二人で揃って昼食を食べている。不思議。

そもそも、一日三回食事をするという行為が、結構新鮮だ。

学院に来てしばらくになるけど、未だに慣れない感覚。

生徒と違って、教師は別に食事する必要はないんだが。

何だかんだイーニシュフェルト魔導学院では、教師も結構食事してるから。ノリと言うか流れと言うか。

生徒ともコミュニケーション取れるし。

今日は、生徒より天音さんとコミュニケーション取ってる。

「あ、これ美味しいね、オムライス」

「そうですね」

本日の、イーニシュフェルト魔導学院の昼食のメニューは。

オムライス、ブロッコリーのサラダ、デザートのチョコプリンである。

良いですよね、オムライス。僕にとっては、思い出深いメニューと言うか…。

いや、まぁそうでもないか…。

…それよりも。

「…僕プチトマトそんなに好きじゃないんで、天音さんにプレゼントします」

「えっ、ちょっ」

自分の皿のプチトマトを摘んで、ひょいっ、と天音さんのお皿に投入。

ふぅ。良い仕事をした。

「食べようよ…プチトマト…」

いやぁ。食べられない訳じゃないけど、そんなに好きではないもので。

やっぱりこう、好きな人に食べてもらった方が、プチトマトも本望だと思うんですよね。

「まぁ良いけど…」

と、僕の代わりに、天音さんがもぐもぐプチトマトを頬張っていると。

「あ、天音先生とナジュ先生だ」

「こんにちはー」

食事のトレイを持った生徒が二人、声をかけてきた。
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