ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
「エリナ、どうした?」

 ルディが素早く立ち上がり、エリナを抱き上げたので、子猫はきょとんとした顔で狼を見た。

「にゃ?」

「なぜ泣く?」

 片手でエリナを抱きながら、彼は親指の先で彼女の涙を拭う。けれど、笑顔のエリナの目からは次々と涙の粒が溢れてくる。
 笑っているのに泣いている子猫を見て、皆はショックを覚えた。
 けれど、当のエリナは怪訝そうに「泣いてないですよ?」と首を傾げる。

「わたしは泣いてなんか……あれ?」

 自分の顔に触れたエリナは、ようやく溢れる涙に気づいた。

「あれ、おかしいにゃん、なんでだろう? わたしは……なんで泣いてるにゃ? 今、とっても幸せだなって思っただけなのに……」

「幸せ、なのか?」

「はい。だって……ひとりじゃないから。お豆腐は、いつも暗くて寒いところで食べていたのに……ひとりぼっちで……寂しいけど……食べないと死んじゃうから……ちょっと古くなったお豆腐……腐ってないかちゃんと確かめないとおなかを壊すから……病気になっても助けてくれる人がいないから、気をつけないとひとりぼっちで死んじゃうから……」

 笑顔のままで続けるエリナの話の異常さに、『この子猫はどんな生活をしていたんだ?』と皆の心が凍りそうになる。
< 116 / 234 >

この作品をシェア

pagetop