ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 泣きじゃくる子猫を、ルディは優しく揺さぶって「うん、そうか、よしよし」と背中をトントンし続けた。エリナが大きな秘密を抱えていることに気づいている彼は、無理に泣き止ませようとはしないで、幼い心の中で固く凍っていたものを涙で溶かして流せるようにと気遣っていた。

『俺の、ただひとりのフェンリルである孤独など、エリナの抱えている深くて暗い過去と比べるとほんの小さな翳りにすぎない。俺の周りには、いつも見守ってくれる優しい瞳がたくさんあったのだからな……』

 ルディは小さな身体を抱きながら『よくぞ生き抜いて、俺の前に現れてくれたものだ』と、大切な子猫と出逢えた奇跡を思った。

 その場にいた者たちは、目元を拭いながらそんなふたりを見守った。

「わたしは、がんばれなかった……」

 そう言ってしゃくりあげるエリナをルディは抱きしめる。

「いや、エリナは充分がんばった。ひとりでがんばって生き抜いて、俺のもとにやってきた。それで良かったのだ」

 ルディは、濡れたまん丸の瞳を覗き込むようにして、続けた。

「むしろ、幼い身体で一生分がんばって、がんばりすぎたから……エリナはこれからは怠けながら生きなくてはならないのだと俺は思うぞ」

「……にゃ?」

 予想外の言葉を聞いたエリナは、口をぽかんと開けた。
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