もふもふ、はじめました。
「……あの後、何の連絡もないから心配してた。元気そうで、何よりだよ」
好きな人が居るって言われて別れた後で、何の用事もないのに、元彼に連絡なんてしない。
この人、何考えているんだろう。
……そんなことを言う自分だって、こちらに何の連絡もなかった。私から未練がましく連絡すると、思っていたのかな。
「そう。そちらも、元気そうで良かった。私達もう帰るから、じゃあね」
隣の席で戸惑った表情をしている岸くんに目配せをすると、残っていたビールを一気に飲み干した。
椅子に掛けてあったコートに手早く腕を通して、バッグを持って机の上の伝票を掴んだ。
「おい待てよ。千世」
「行こう、岸くん」
私にならって素早く帰る支度を整えた岸くんは頷いて、私の右手から伝票を取った。
「如月さん。ここは、僕に払わせてください」
「私。先輩なのに、ダメだよ」
「じゃあ、今回は予行デートってことで、男に払わせてください……それだと良いですよね?」
なんでもないことのように、可愛い顔で微笑んでくれた岸くんにちょっとだけ、きゅんとしてしまった。
好きな人が居るって言われて別れた後で、何の用事もないのに、元彼に連絡なんてしない。
この人、何考えているんだろう。
……そんなことを言う自分だって、こちらに何の連絡もなかった。私から未練がましく連絡すると、思っていたのかな。
「そう。そちらも、元気そうで良かった。私達もう帰るから、じゃあね」
隣の席で戸惑った表情をしている岸くんに目配せをすると、残っていたビールを一気に飲み干した。
椅子に掛けてあったコートに手早く腕を通して、バッグを持って机の上の伝票を掴んだ。
「おい待てよ。千世」
「行こう、岸くん」
私にならって素早く帰る支度を整えた岸くんは頷いて、私の右手から伝票を取った。
「如月さん。ここは、僕に払わせてください」
「私。先輩なのに、ダメだよ」
「じゃあ、今回は予行デートってことで、男に払わせてください……それだと良いですよね?」
なんでもないことのように、可愛い顔で微笑んでくれた岸くんにちょっとだけ、きゅんとしてしまった。