もふもふ、はじめました。
「君たちを守るために、自分の持っているコネを全て使うと言っていた。だから、僕も君のところに行こうかとしている時に、呼び出されたんだ……君は何も心配しなくて良い。でも出来たら、千世自身から真相が聞きたかったな。確かに言い難いとは思うが。それでも、僕を頼って欲しかった」

 彼はそう言うと、優しく髪を撫でてくれる。私は何も出来なかった自分が情けなくて、どうしようもない。

「ごめんなさい……」

「……一人で泣いてたんだな。一刻も早くここに来たかったんだが、済まない。話を聞いてから……あいつを地獄に落とす算段をつけるまではどうにも落ち着けなくて」

 にやっと不敵に笑った吉住課長はちょっといつもとは違った。ひどく、悪い笑みだ。

「……吉住課長?」

 小さく問いかけた私の頭のてっぺんにキスをすると、彼は優しく囁く。

「大丈夫だよ。千世。岸も君も僕が……僕等が守るよ。だから泣くな」
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