腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 私はお風呂に入っていつも以上に磨き上げると、それからリク先生のベッドにもぐりこんだ。
 リク先生が帰ってきたら、きっと私だって起きるだろうし……。そう思ったのだ。


 いつも通り11時過ぎにはウトウトしだして、気付いたら何時になっていたのかわからないけど……ごそ、と人の気配がした。
 眠すぎて開かない目をなんとかうっすら開けると、目の前にリク先生が見える。

 奥に時計が見えて、時間は2時を過ぎたところのようだった。

「もも? どうしたの、こんなところで……」
「せんせ……おかえりなさい」

 先生に会えた嬉しさで、私はニヘラと笑う。

 今日は、夢じゃないよね?
 本物の、リク先生だよね……。

 先生の頬に触れると、先生の頬は冷たかった。

「ごめんなさい……。今日、先生にどうしても会いたくて」

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