黒曜の戦場

14.人のこと言えませんからね?



「先日はお騒がせしました」



保健室のソファーに座る私に、そう深々と頭を下げるのは青髪の彼。

琥珀ちゃんはようやく鼻血が止まってきて、顔の血を拭き取れた所である。

まったく、こんなに短期間で乙女休止宣言を二度も発令することになるとはっ!!             



青髪くんと一緒にいた人には今、着替えやお弁当を持ってきてもらっているところだ。

体育の後にスマホなんて持っているはずもなく、青髪くんと一緒に駆け付けてくれたもう一人の人をパシらせてしまっている。



「いや、確かに急に倒れたのはびっくりはしたけど!そんな、頭下げることじゃないよっ!!……もう大丈夫なの?」

「はい!ただの二日……ん"ん"ッッ!睡眠不足と頭痛と目眩と吐き気で気絶しただけなんで!!」

「あら本当に大丈夫?あなたそんなに週末酷かったなら休んでいく?病院行ったの?」

「あぁ!いや!もう全快なんで大丈夫っす!!!!」



保健室の先生に思わぬ心配をされてしまったけれど、彼は二日酔い。

紛れもなく二日酔いからの体調不良。

大人に話せばもれなく怒られる案件である。

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