黒曜の戦場


テキトーに可愛いピンクの表紙の漫画を手に取ると、その表紙には、はだけたドレスを身にまとった女の子とはだけたスーツの男の子が絡まっていて――スッと静かに元あった場所へと戻した。

少女漫画とは??????????



「あ、ちょっと。フレンドはまだ琥珀には早いからチャオとかなかよし辺りからにしなさい」

「……コレ全年齢なの???」



別の作品を手に取ると、今度は水にぬれた男女が笑い合っているような楽しそうな表紙だった。

よかった、こっちは健全ぽいぞ。



「雑誌の読者層や方向性にもよるけど、モノによっては結構際どいのもあるから覚悟しなさい。ポロリはないはず」

「その……18禁との違いとは……?」

「局部を見せないでサラッと流してるとか、エロの頻度?」

「ひんど……」



世の少女たちはこういった作品を読みながら成長していくのか……。

琥珀よりも大人かもしれない……!!!



「咲さん、琥珀にはココ使わせて貰えるっていう認識でいいの?」



先に椅子に腰かけてこちらを眺めていた咲くんに、みっちょんは尋ねる。

ゆらり、と首を微かに傾げる髪が横に流れ、頬杖をつく咲くんは目を細めて綺麗に笑う。

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