黒曜の戦場


どうやらその画材たち(主にスケブが)そのガラの悪い人に当たったのか、それとも道を塞いでしまっていたのか、画材たちにまで神経は通ってないから真相はわからないけれど、怖い顔の人に絡まれてしまった。

とりあえず、首にジャラジャラと重そうなアクセサリーを付けて鼻ピアスをしたタンクトップのゴツい男に絡まれた私は、実は今ピンチなのかもしれない。

その顔が今度は、ニタリと笑う。



「あァん!?」

「すみません」



私は足がすくんで動けなくなってしまっていた。

こういう時、誰か助けてくれるもんなのだろうか。

しかしポツリポツリと道行く人は、トラブルがあると気付いていてもこちらをチラリと見ることもなく、私は早々に他人からの助けを諦めなければならないかもしれないと察知する。

あれだ、きっと誰かが助けるだろうとかいう集団心理。

巡回のお巡りさんでいいから来てくれないだろうか……。



こういう時、この後自分に起こり得る事態はなんだろうかと、パニックでありながらもどこか冷静な頭は考え始める。

1.殴られる
2.連れ攫われる
3.リンチ
4.微かな希望にかけて助けを求める
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