黒曜の戦場


「とりあえずメシ食おうぜ。腹減った。乾杯しよう」

「少しは空気を読んだらどうなの?」

「紹介終わったし俺らが原稿頑張った打ち上げだし、かったりぃ話なんかもういらねぇだろ。見ろ、あの肉に狙いを定める飢えた猛獣たちを」

「……本当にこの量で足りる?」



オードブルが並んでいる机の上、立ち食い形式のようで、みんなコップを持ったままじっとりと鶏のもも肉を睨みつけている。

赤や緑の飾り付けのせいで、まるでクリスマスパーティーのようだ。

クリスマスにはだいぶまだ早い。



ふふっと笑う咲くんは、微笑ましい顔をみんなに向けて口を開く。

ぐーぐーとどこからかお腹の音がたくさん聴こえてくる中、ようやく咲くんがグラスを少し上げて一歩前へ出た。



「お手伝いしに来てくれた子もありがとう。また俺たちに力を貸してくれると嬉しい」



周りをぐるり見渡す咲くんの瞳が、私に止まる。

きょとん、琥珀は目を瞬かせた。



「琥珀ちゃんも、ありがとう。これからよろしくね」

「………………!!!は、はい!!頑張りますよろしくお願いします!!!」

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