黒曜の戦場
そこまで私の(仕事環境の)ことを考えてくれていただなんて……。
確かに琥珀は考えの足りない所があっただろうし、みんなに受け入れられないこととか、学校で体育倉庫に引っ張られることとか、全然考えたこともなかった。
咲くんは……琥珀のずっとずっと先のことまで考えて、琥珀のことを黒曜に迎え入れてくれていたんだ。
「上に手伝い来てた奴ら。アイツらにアンタの話を下の奴らに広めるようにも言ってたんじゃない?出入りしてる時に見てただけじゃアイツらそう簡単に受け入れなんてしないし」
「そ、そんなことまで……!?」
「咲ならそれくらいする。感謝しろとは言わないけど、知っておけばいい」
優雅に、グラスに注がれた赤紫色の液体(グレープジュース)を飲んで食事を終わらせる雨林さんは、なんだか大人に見える。
全然高級レストランとかじゃないのに、所作が綺麗だ。
器用なのか…………アシスタント出来ちゃうくらいなんだから、この倉庫内では器用な方なんだろうな!!
「アンタ、9時-5時って言ってたけど、学校行ってる時はどうするわけ」
「……は!!言われてみれば!!」