黒曜の戦場


何時間も、なん十時間もかけて…………けれどそれも、今は駄作を生み出すばかりの時間になっていて。



「……おい、急に静かになるなよ」



この人は……そんな私の事情なんて知らない。

時間が足りなくなると焦るのに、その時間があっても増えるのは納得いかない色をなくした絵。

理想と食い違う現実、私を認められない私。



私の創作の時間は、本当に必要か?

時間で解決するものなのか?

技術で解決するものなのか?

感性の豊かさで解決するものなのか?



「お前、」



そう言って雨林さんが立ち上がろうとした時、ガチャ……という扉の音が部屋に響く。



「なにマフラーひとつに時間かけてんのよコハ────は?」

「──あ?」

「あ」



我が愛しき友、みっちょん様が、部屋に入って来てしまわれた……!!!!



待たせてたのを完っ全に忘れてた!!!

き、気まずい!!!



顔を合わせれば睨み合う二人、ドアの向こう側からピョコリと見え隠れする青髪、思わずマフラーをギュッと抱き潰す琥珀ちゃん!!!!

ごめんなさい雨林さん!!!

予想していた事なのに!!

避けられた出会いだったのに!!!!

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