黒曜の戦場
20.ペン先を変える……?
「線がまだまだ歪《いびつ》。一定の力加減で引け」
「はいっ」
「定規の位置曲がってると線が曲がるから左手も気を抜かないで」
「はいっ」
「抜きがカスッカス。二度書きしても線の太さ一緒で印刷には出ないようにして。印刷されること意識」
「はいっ」
こんにちは皆様、線ひとつ引くのにボロボロな琥珀ちゃんからお届け失礼します。
定規で線を引く、ただこれだけの事が中々に難しいとはどういうことでしょうか。
そりゃあ不良の皆々様が音を上げてしまうのも納得しかない。
筋肉がバキバキに固まっちゃうわ!!
雨林さんの調教の元、真っ白な原稿用紙にひたすら一定間隔の線を書いています。
付けペンていうのは角度によって引けなかったり太さが変わったりするし、気を抜くとインクがボタッと落ちて定規の下に入り込むとべちょっと広がって、もう原稿が大惨事!!ひぇ!!
インクの量まで適切じゃないといけません!!ジーザス!!
「ほら、抜きの後ろの方ミミズみたいにふにゃふにゃしてんだけど。なに、ミミズなのお前?」
「ミミズにはなりたくありません師匠!!!」
うりんりん厳しいよ、ぴえん。