黒曜の戦場


た、たしかに、体育館の時もちょっとなんか危うかったような気も…………鼻血の印象が強くて細かいことは覚えてないや。

けどなんやかんや言われてた気がする。

そういえば体育倉庫に引っ張りこまれた時のあの子たち、あれから学校で見てない気がするけれど……どうしたんだろう?



「どうして琥珀はそんなに狙われてるんでしょう?」

「黒曜で唯一の女だから?」

「………………ほぇ?」



未夜くんは私に説明してくれるけれど、琥珀にはちょっと意味がわからなかった。



「確かに黒曜には、琥珀しかいないみたいだけど……」

「ここに入れる女は基本琥珀だけだから、弱みとか嫉妬とかで狙われるらしいよ」

「……琥珀だけ?」

「そう、琥珀だけ特別。まぁ咲が防いでるだろうけど」



ここに来て、琥珀は初めて自分以外の女の子が居ないことを意識して考えていた。

琥珀しかいない……?



「なんで???」

「本来、頭《ボス》の……今なら咲の彼女しか入れないらしい」

「かっ……」



彼女さん……しか??

でもまって、琥珀は咲くんの彼女さんではないよっ!

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