黒曜の戦場


「さぁね。嫌いじゃないわ」

「ツンデレか」

「いおに地図叩き込んだことだし、泣き止んだらアイス食べに行くわよ、琥珀!」

「あいす!!!!!」



琥珀はすぐさま泣きやもうと、目にハンカチを一生懸命擦り付けていた。

















「それで、いおくんとみっちょんは地図見てなにしてたの?」



喫茶店までのその道中、琥珀は気になっていたことを二人に聞いた。



「まず現在地を地図で聞いてみて、やっぱり把握してなくて。じゃあ私たちが入ってきた入場ゲートは?って聞いてそれもわかってなくて。じゃあアンタが行方くらました場所は?って聞いてもわかってなかったわ」

「赤に連れてこさせたからな」

「そういえばその赤ちんは?」



赤ちんに咲くんのところまで連れてこさせたらしいけれど、その赤ちんの姿が見えない。



「アイツなら逃げたぞ」

「え?」

「まさかお前らが、俺を咲んとこに連れてきた奴を知ってたとは思わなかったけどな」

「……なんで赤ちん逃げたの?」



琥珀がいおくんにそう尋ねれば、いおくんは静かにスッとみっちょんに顔を向けた。



……。

…………え、みっちょん?

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