黒曜の戦場


見られたという衝撃に、筋肉がミチリと締め付けられるのを感じた。

おい、食ったもん吐くから締め付けんじゃねぇ!!

相方を睨みつければ、いおりさんに動くなと怒られた。

こっえぇ……。





その女の子は琥珀さんと言うらしく、可愛らしい高校生の子だった。

あの子はアシスタントに呼ばれて来ていたらしいが、俺たちの中ではざわつきが広がっていた。



あの咲さん直々に声がかけられたと。

どうやら上の作業場では相当な惨状になっていて、助っ人に来てくれたその人が女神さんだったと青ちんに聞いた。

そのうち、あの誰にも懐かない未夜さんまでもが、女神さんには心を開き、懐いていると聞くようになった。



咲さんみたく優しい顔しといてそりゃヤベェ女が入ってきた……!!!



俺らの中じゃ、2階のあの作業場は神聖な場所だ。

咲さんに許された奴らしか入れねぇ。

いおりさんの部屋行くにも足音に注意させられるし、うるせぇと雨林さんにドヤされる。



雨林さん、あの人もヤベェ怖い。
< 390 / 505 >

この作品をシェア

pagetop