黒曜の戦場


いおりさんにスケッチさせられる時があることは、下の奴らの中じゃ有名だ。

あの鋭い目付きに数分間……いや、何ポーズもあったら数十分とかかる。

そして怯え切る俺たちの胃がやられる。

すげぇ尊敬してんのとは別に、怖いもんは怖い。

この人マジで容赦ねぇから……。



さらに上に咲さんがいる。

あの人はもっとヤベェ。

優しい男に見えてる分、そんなもんじゃねぇからヤベェ。

敵味方の切り替えがヤベェ。

あの顔しといて敵には容赦ねぇし、いつの間にかあの人の思う通りに動いてることがある。



例えば黒曜の……この今の環境だってあの人の思う通りだ。

ただ、俺たちにまで恩恵がある為に、反論なんてする奴はいねぇ。

うぃんうぃん?みてぇな関係にしちまうのが上手い人が俺らの頭だ。



「オイ、脱げ」

「はい……」



ウチんとこのツートップはマジ最強にヤベェのに、漫画描いてる。





そんな誰にも見られたくないところに、女が来た。

俺たちは二人揃ってその女の方を向き。



「あ」

「あ」

「……」

「……オイ、動くんじゃねぇよ」


< 389 / 505 >

この作品をシェア

pagetop