甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》





紫乃を後ろから抱くようにキーボードを叩く。

「ブログ?」
「ああ」
「書くところ初めて見る」
「紫乃が最初で最後だな、これを書くところを見るのは」

それだけで少し照れたのがわかり、耳をペロッと舐める。

「もぉ…あっ…なるほど、お店に行ったよって書くのか…写真撮ってたもんね」
「やっぱり一応了承取るか…紫乃、栫井さんに電話して載せると伝えて」

紫乃が電話する間に写真を取り込み準備を終える。

「壱のブログにお店を載せていいですか?」
「いいですかじゃなくて載せる」
「…だそうです…はい、ありがとうございます」

通話を終えた紫乃からOKと聞くと同時にクリックして終了。

「俺、いつもはこういうブログを書かないからすげぇ話題になるぞ」

立ち上がっていた紫乃を膝に座らせ

「任務完了」

と口づける。すぐに深く絡まり合い吸い合う交わりになることに満足して紫乃の耳たぶを撫でた。
< 328 / 348 >

この作品をシェア

pagetop