甘い支配の始まり《マンガ原作賞優秀作品》
「壱、やっぱりすごいね。あれだけの時間で大違いだ」
紫乃は帰りの車の中で、スマホで店のホームページをチェックしている。
「でももっと複雑な難しいことをいつもはしてるでしょ?尊敬する」
「パターンを覚えれば簡単なこともあるけどな」
「そうは言ってもすごいよ。見違えるホームページだ。アクセス数が増えてお客様も増えればいいね」
「ああ、帰ったら俺がもう一手打つから客は来る」
「何?」
「ちょっと待って、帰ったらすぐな。榊原さんにも栫井さんにも言ってない」
「ほんとのサプライズ?ふふっ」
わくわくを隠さない紫乃はオフィスに戻ると
「壱、教えて?」
と俺を見上げる。もっとねだってみろよ。
「教えて欲しいのか?」
「欲しいな、すぐに」
「ん、じゃあここ」
椅子に座って足を開き前を叩く。
「え?」
「ここ座ったら、すぐに教えてやる。すぐに欲しいんだろ?」
怪訝そうな表情も可愛らしい紫乃が俺の股の間に座った。