雨上がりの景色を夢見て
「雛ちゃんと会ったことも驚いたけど、熱あるのに無理したことにもっと驚いたわ」

運転しながら、夏奈さんは少し呆れ気味に言った。

「まあまあ、夏奈それは後で。ドラッグストアあったら寄ってくれ。中川先生に必要なもの買いに行ってくる」

後部座席から夏奈さんをなだめる高梨先生。

「…そんな…悪いですよ」

「熱あるのに1人じゃ買いに行けないから。今のうちに揃えておこう」

熱で頭がぼーっとする中、頼もしい高梨先生の声が聞こえた。

熱と、寝不足と、車の心地よい振動で、強い眠気が襲ってきて、私の瞼が徐々に下がってくるのが分かった。









「…んっ…」

ゆっくりと、目を開けると、見慣れない天井が広がっていた。

ここ…どこ?

起き上がると、フカフカのベットの上にいた。シンプルな部屋だけど、部屋の一角にアクセサリーが綺麗に飾られている。

ガチャ

「あっ、雛ちゃん、体調どう?」

氷枕を持った夏奈さんが入ってきて、ここは夏奈さんの部屋なのだとすぐに分かった。

「だいぶ良いです…」

そう答えたけれど、おでこに手を当てて熱を確認した夏奈さんに、強制的にベットに横にさせられ、布団をすっかりかける形となった。



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