パイロットは仕立て屋を甘く溺愛する
 仕事も忙しそうでオフも充実していそうな貴堂の時間をもらうのはなんだか申し訳ないような気がしてきた紬希は、口を開いた。

「貴堂さん、あの……無理なら……」
「無理なわけない。こちらからお願いしたことだし、紬希さんは最高のパフォーマンスをするために提案してくれたのではないんですか?」
 責めるでもなく、するりとそう言われて、その通りだと紬希は俯いた。

「僕はあなたをプロフェッショナルとして認めています。あなたはもっと自信を持っていいですよ」
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