見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!
稔くんが、まばたきを一度した後、大きく目を見開く。
「ずっと、私も好きだった。たぶん稔くんと同じで、小学生の頃から――気づいたのは結婚式の夜だったけど、この結婚は利害の一致でだと思ってたから、言えなくて……言っても、伝えても迷惑になると思って。でも、言うべきだったのね。たとえ契約結婚が終わることになってても、正直に気持ち、伝えるべきだった。そしたらこんなに、遠回りしなくてもよかったのに」
早口で息継ぎ少なめ、三息ぐらいでそこまでを言ったところで、稔くんに「それは違う」と遮られる。
「あ、いや。違うっていうか、その。こんなにややこしくしたのは、明花のせいじゃないから。俺が男らしく、好きだって最初に言わなかったからだ。結婚したいのは利害の一致でも都合がいいからでもなくて、明花が好きだからって。ちゃんと俺が言ってれば、明花が悩むこともなかった」
私に負けまいとするかのような早口で、そして彼はほぼ一息で、そこまで言い切った。
お互い軽く息切れして、ふーっと息をついたタイミングが同じになる。顔を見合わせた後、やはり同時にぷっと吹き出した。
「……おんなじこと思ってたのね、私たち」
「……そうだな」
ひとしきり笑い合った後、そんなふうに言い合う。