幼なじみはエリート潜水士

 今日は何度も「待ってよ」と叫んでるような気がする。

 数年ぶりに再会した幼なじみと、私はもっと一緒にいたいのに。

 ハルくん、ちょっと冷たいんじゃない?


「じゃあ、スマホ出して」


「あっ、俺ガラケーなんで」


「はあっ?」


 今時の若者が、ガラケーなんて信じられない!

 そっか、ハルくんは今時じゃなさそう……

 話ができればいい、とか言ってるし……


「奈々ちゃん、電話番号の交換じゃダメ?」


「それでもいいけど……」


 ガックリ肩を落とした私の目前で、ハルくんが二つ折りの携帯電話をパカッと開いた。

 取り出した私のスマホに、彼から電話をかけてもらう。


「よし、また今度!」



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