幼なじみはエリート潜水士

「ここは……」


 自分の手に視線を向けると、何だか小さい。

 髪もショートカットで短いし、身長も低い。

 なぜかジャージ姿だけど、すごく見覚えがある。


「これ、小学五年生の頃に着てたよね……」


 海のある地方の小学校に通学してた私、オシャレなど気にしない活発な女の子だった。

 なぜか私の目前に、ハルくんが姿を見せる。


 小麦色に日焼けした肌、ちょっとポッチャリ体型でいつも笑顔。

 白い歯を見せながら笑う仕草が大好きだった幼なじみ。


 家が近所で、ハルくんとは幼少からいつも一緒だった。

 彼は一つ年下で、この時は小学四年生だったかな?

 客観的に見てしまう自分がいる。


 ここはどこだろう、亡くなった父も若いときの姿で笑顔を見せてる。


 えっ、みんなで海岸に行くの?

 ちょっと嫌だな、行きたくないよ……



 釣り竿を手に持った父とハルくんが、海へと向かってく……



< 35 / 80 >

この作品をシェア

pagetop