幼なじみはエリート潜水士
「ここは……」
自分の手に視線を向けると、何だか小さい。
髪もショートカットで短いし、身長も低い。
なぜかジャージ姿だけど、すごく見覚えがある。
「これ、小学五年生の頃に着てたよね……」
海のある地方の小学校に通学してた私、オシャレなど気にしない活発な女の子だった。
なぜか私の目前に、ハルくんが姿を見せる。
小麦色に日焼けした肌、ちょっとポッチャリ体型でいつも笑顔。
白い歯を見せながら笑う仕草が大好きだった幼なじみ。
家が近所で、ハルくんとは幼少からいつも一緒だった。
彼は一つ年下で、この時は小学四年生だったかな?
客観的に見てしまう自分がいる。
ここはどこだろう、亡くなった父も若いときの姿で笑顔を見せてる。
えっ、みんなで海岸に行くの?
ちょっと嫌だな、行きたくないよ……
釣り竿を手に持った父とハルくんが、海へと向かってく……