極上男子短編集
☆☆☆

地味子がいくら頑張ったって突然可愛くなれるわけじゃない。


内面から溢れ出てくる美しさとか、そういったものには勝てないんだ。


「では、次が最後の通過者です!」


写真投票は昨日で終わり、今日は全校生徒が体育館に集められて投票結果の発表が行われていた。


ステージ上にはすでに4人の男子と、3人の女子が並んでいる。


男子の中には当然五十嵐浩介がいて、女子の中には美穂と有子が2人そろって選ばれていた。


そして次が最後の枠だ。


五十嵐浩介にメークをしてもらって、何人かの生徒たちから可愛いと言われて、調子に乗っていただけだ。


しょせん私がメークしたところで投票で残れるわけがない。


こうしてこの場に立っていることも恥ずかしくなってきて、一刻も早く開放されたくてたまらない。
< 40 / 190 >

この作品をシェア

pagetop