相思相愛・夫婦の日常~はる♡もも編~
「百枝ちゃん、飯食って帰るんだろ?じゃあ、奢るから何か食えよ!」
食事に向かう途中、先程の電話の話を聞いていた晋作が言った。

「いらない。どうせももちゃん、ほとんど食べずに帰るだろうから帰って一緒に軽く食べるし」
「は?何だ、それ」
「飯食いに行ったんだろ?百枝ちゃん」
晋作と冬樹が不思議そうに見る。

「ももちゃん、凄く人に気を遣う人だから、人の事ばっか気にして食べ物を取り分けたり、飲み物のおかわりを頼んであげたりして、ほとんど自分は食べないんだ。俺が一緒だったら、そんなことさせないからいいけど……
………ったく…やっぱ、行かせるんじゃなかった。
お前等が俺を誘うから、しかたなくOK出すことになったんだからな……!どうしてくれんの!?」

「どうしてくれんのって……」
「まぁ、誘ったのは俺達だが、百枝ちゃんが食べないのは俺達のせいじゃねぇし……!」


そんなこんなで、少々機嫌の悪い永遠を連れ食事場所の居酒屋に着いた三人。

既に女性が三人、席に座って待っていた。
「お待たせ!ごめんね~」

「ううん~!」
「結城くんだ!やっぱ、カッコいい~////」
「ヤバい…カッコ良すぎてドキドキしてきた////」
女性達は、永遠に見惚れている。

「改めて、俺が晋作!こっちが冬樹で、こいつがご存知の永遠!よろしく~」
晋作が簡単に紹介する。

「こっちこそ!
私は三奈。で、向かって右から昌子と朱美だよ!」
「よろしく!」
「凄い、噂の三頭軍だ!」

三頭軍とは━━━━永遠達三人が高校の時に言われていた呼び名。
三人は喧嘩がとても強く、高校の時は負けなしだった。
今でも伝説になっている程だ。

ちなみに三人は、二の腕にケルベロスの刺青(永遠は、更に首にもウロボロスの刺青)を彫っている。


「━━━━永遠くんの奥さんってどんな人なの?」

「は?」
「確か、結婚したばっかなんだよね?」
「うん」
「永遠くんみたいなハイスペックな人が選んだ人のこと、知りたいなって!」

「可愛い人」
「へぇー」
「可愛くて、小さくて、細いのに柔らかくて、おっとりしてて、優しくて、お人好しだから俺がいないとすぐ変な輩に連れてかれる。
もっと俺に依存してほしいのに、必死に背伸びしてお姉さんぶって頑張りすぎて空回りする。
まぁそれで、やっぱ俺がいないとダメって思うみたいだから、結果的には良いんだけど!」

「へ、へぇー……」
全く喋らなかった永遠。
百枝の話をふった途端、火がついたように話し始めた為、女性達はかなりひいている。

「あ、え、えーと…永遠、奥さんにベタ惚れでさ!
ごめんねー
でも永遠の奥さん、俺達より10歳年上なんだけど、めっちゃ童顔だから全然見えないんだよなぁー」
「確かに可愛い人だよな~!
小柄で童顔だからかな?余計に可愛い」
晋作と冬樹が、フォローする。

「えー!10歳も年上なの!?」
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