吸血鬼との世界
みみかの過去は酷なものだった。

みみかは生まれてからすぐ、施設の前に捨てられていたらしい。
出勤した施設の人が泣いているみみかを見つけた。

まだへその緒も付いたまま捨てられていた。

その人は慌ててみみかを施設内に入れ、すぐ病院に連れて行ったそう。

そこから施設で「みみか」と名付けられ、施設で育った。

みみかが五歳の時、今の九の元に引き取られた。

九のところは、子供に恵まれず、子供を諦めていたところに施設で働いている友人からみみかのことを聞いた。

妻の美紅と相談して引き取ることにした。
子供は諦めたくなく、みみかのことはすごくうれしかった。

だが、家に来てすぐ、みみかに与えた部屋にすぐ籠ってしまった。
施設長の話によると、施設でもみみかは誰かと話すわけでもなく、一人でいることが多かったそうだ。

生まれてすぐ施設に入ったということで、あまりいい顔はされなかったようだ。
みみか本人は特に気に留めず、話してこないなら関わらないということで一人でいたようだった。

そのため、急に引き取られ、みみか自身が混乱していた。

「この人たちを信じていいの?また捨てられる?」

施設から出るときに施設長にみみかが言った言葉。

「大丈夫よ、みみかちゃん、この人たちはね、子供が欲しくてみみかちゃんを引き取るんだよ。きっと二人の元で幸せになれるよ!」

施設長の言葉に耳化は何も言わなかった。
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