独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
様々な出来事が有ったが、気がかりな件はほぼ片付き、晴臣は瑠衣と第二の新婚と言ってもいいような幸せな日々を送っていた。

お互いの弱いところをさらけ出した日から、夫婦の距離が確実に近くなっている。

「晴臣さん、今日一緒に寝たいな」

瑠衣は以前とは違い、自分から誘いをかけて来るようになった。

と言っても直接的な表現はまだ恥ずかしいらしく、とても可愛い誘いだが。

「大丈夫? 疲れてない?」

心配そうにする妻が愛おしくて晴臣は彼女の体を抱きしめた。

「もちろん。今日と言わず毎日一緒に寝たいくらいだ」

「もう、晴臣さんったら冗談ばかり」

なんだかんだ言いながら瑠衣は嬉しそうだ。

「本気だ。そうだ大きなベッドを買いに行かないか?」

「ベッドを?」

「大きなベッドに買い直そう。そうすれば寝るとき瑠衣を抱きしめやすくなる」

結婚したときはゆっくり休めるようにベッドを二台買ったが、晴臣は後悔している。

瑠衣の温もりを感じながら寝るのが一番の癒しなのに、離れて寝るのが基本になってしまっているのだから。

「うん……それもいいかも」

瑠衣もまんざらんでも無さそうだ。

「明日は休みだし早速見に行こう」

「早起きしないとね」

瑠衣はスマートフォンのアラームを設定している。

晴臣は待ちきれず瑠衣の細い腰を引き寄せた。

「えっ、もう晴臣さん!」

「アラームは要らない。どうせ起きれないだろうから」

熱のこもった目で見つめると瑠衣は頬を染めた。

「お手柔らかにお願いします」

「努力するよ」

明日の買い物は夕方になるだろうな。

きっと今夜も離せない。晴臣は最愛の妻に口づけた。


END
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