わがままな純愛 ケイレブとユリア
それからブルーの目で、
ケイレブを、目力で組み伏せる
ようにしてから

「おめぇ、酒臭いぞ」
「へ・・?」

マギーは、自分の鼻をつまんだまま、ケイレブから離れると、
石垣に置いてあったかごを取り、
ケイレブの胸に押し付けた。

「サンドイッチとチーズと
ワインが入っている。
校長先生に、これから届けるだ。」

馬車が一台やって来た。
マギーは、手で馬車に合図をすると
「校長先生は、
今日は別荘で、静養なさっているだ。
静養といっても、仕事を持ち込んでいなさるが」

マギーは、困ったものだというように、首を振った。

「おめぇが持って行けや、
あたしゃ、膝が痛い」

そのマギーの言葉に
ケイレブは、緊張が解けて
石垣にもたれかかるように、背をつけた。

守護怪獣が、俺を認めたのだ。

ケイレブはかごを抱きしめた。
「ありがとう、マギー」

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