夢見るだけじゃ終われない 〜恋と令嬢とカクテルと〜

「茉莉、泣いてるの?」
「えっ?」

 家族のことを考えていたら、知らずに涙ぐんでいたらしい。

 悠と一緒に住めるのは嬉しいけれど、大好きな家族と離れることが少し寂しくもある。

「はい、どうぞ」

 悠が立ち止まると、私の目の前に白いハンカチを差し出してきた。
 
「新品だから綺麗だよ」
「ふふっ」

「えっ、何かおかしい?」
「ううん、私のハンカチ王子は相変わらず素敵だなって思って」

 途端に悠は目を細め、私の頬にキスをする。

「俺、あのときハンカチを持っててよかったよ」
「うん……本当に」

「今度茉莉が泣くとしたら……俺との結婚式かな」

 感動して、嬉しすぎて、なんだか無性に泣きたくなる。

「……うん、そうだね」

 私は白いハンカチで涙を拭うと、彼と肩を並べて歩き出した。

< 51 / 51 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:168

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらはマンガシナリオになります。 「第1回comic Berry’sマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。 初投稿なので、 こちらのルールに則っていない部分もあるかも知れませんが、 よろしくお願いします。 間宮糸、 大学生になりたての18歳。 大学受験前に、 ずっと片思いしていた家庭教師の成瀬カイ先生に告白してフラれました。 階段から落ちたついでに、 恥ずかしさのあまりカイ先生の記憶を無くしたフリをしていたら、 何故か同棲することになりました。 一体どういうこと?! そして、 先生はどうしてこんなに甘々?! なんちゃって記憶喪失女子と、 イケメン元家庭教師のウソつき同棲ストーリー!
キスからはじまるエトセトラ

総文字数/37,177

恋愛(純愛)10ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらはマンガシナリオになります。 「第1回comic Berry’sマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。 私は兄の親友で幼馴染でもある天にいの事が大好きだった。 彼が結婚すると聞いた私は、 傷心のまま東京の短大へ進学し、 就職した。 そこで仕事に疲れ傷ついた私は、 両親に言われるまま故郷の街に戻り、 天にいと再会する。 「 俺のファーストキスを奪った責任取れよ」 「お前のせいで婚約を解消する羽目になったんだ」 「お前って、本当に酷い女だな」 4年ぶりに再会した天にいは、 甘くて強引でイジワルで…… そして、 昔以上に魅力的な大人の男性になっていた。 どうしてキスをするの? どうして私の身体に触れるの? どうして…… そんなに切ない瞳で私を見つめるの? 月白楓花(つきしろふうか) 22歳 保母さんから引きこもり、 そして実家の喫茶店手伝いに。 X 柊天馬(ひいらぎてんま) 29歳 イケメンで優秀な消化器外科医 これは恋心をこじらせた2人の、 初恋やり直しストーリー。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop