交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「ごめんなさい。今のは忘れてください」


彼と話していると、つい度を越えた発言をしがちになる。ハワイでもそう。花嫁に逃げられた悲哀を感じない彼に、辛辣な言葉を浴びせてしまった。
今思い返しても言い過ぎだったと恥ずかしい。


「なぜ謝る? 思っていることをなんでもポンポン言うところ、俺は嫌いじゃない。媚を売るばかりで、腹にためて苛立ちを募らせるよりよっぽどいい。素直な証拠だ。むしろ……」


吉鷹はそこで言葉を止めた。


「好ましい」


好きと言われたわけでもないのに、鼓動が大きく弾む。好ましいのは性格であって、茉莉花自身ではないと言い聞かせ、その動きを宥めにかかった。

――が、次の瞬間には彼に組み伏せられ、どうにもならなくなる。胸を押し返そうにも、両手は顔の脇で拘束されてしまった。


「よ、吉鷹さん……?」


無理強いはしないと言っていたはず。
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