交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「自分の発言には責任をもつタイプと言っただろう」


つまり、いかにも〝こと〟が起こりそうな体勢ではあるが、そうではないと言いたいのか。それならこの状況説明はいかに。


「唇は、すでに俺のモノだったはずだ」


そう言うなり、吉鷹は茉莉花の唇を塞いだ。

自由を奪った手の力強さと裏腹に、重ね合わせた唇を優しく食む。何度も角度を変え、小鳥が鳴くような音を立てて啄むキスは、次第に茉莉花から力を奪っていく。

ぎゅっと握っていた手から抵抗の意思がなくなったと悟った吉鷹は、その手を解放し、茉莉花の髪をいたずらにかき乱した。

穏やかなキスをしながら髪を撫で、頬をくすぐり、到達した顎を親指で軽く下に引く。自然と唇に隙間ができ、そこから彼の舌が侵入を果たした。

クルーザーで交わしたキスは重ね合わせただけのライトなもの。今回はそれだけでは済まないだろうというのは、彼に唇を奪われたときになんとなくわかっていた。

吉鷹の舌が口腔内でゆっくりと動きだす。初めての艶めかしい感触に驚いて、舌を奥のほうに引っ込めた。
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