交際０日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

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自然に笑みが零れたり、思わず胸が熱くなって涙が溢れたり、愛を実感して最高にハッピーなときを過ごすのが結婚式の醍醐味。世界中の誰より幸せだと、心から誇れる瞬間でもある。

真っ白なドレスに身を包んだ新婦が、正真正銘のお姫様になれる日だ。

茉莉花は、その手伝いができることにプライドをもっている。

ブライダルサロン『Marieange(マリアンジュ)』のブライダルヘアメイクアーティストとして働きはじめて、早くも五年が経った。新郎新婦にとって一生に一度の晴れの舞台に喜びを共有し、たくさんの笑顔に出会える感動的な職業である。

花嫁の魅力を最大限に引き出すためには、ただ単にメイクを施せばいいというものではない。肌の色にドレスの色やデザイン、会場の明るさや雰囲気など、すべてのバランスから一番綺麗な状態に仕上げる、専門的で高度なスキルが求められる。

今回の挙式は、リゾートウエディングでも特に人気の高いハワイ。新婦の希望で茉莉花も前日から現地入りし、本番に備えていた。

大きな鏡の前に置かれた椅子に座った２８歳の花嫁、荒牧(あらまき)結愛(ゆあ)は式を目前に控えて緊張気味だ。