交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

今日のために何度もカウンセリングを重ね、リハーサルをしたメイクは華やかな仕上がり。緩やかな巻きを施したダウンスタイルのヘアアレンジも予定していた通りだ。散らすように飾った白い小花が可憐な印象である。


「いかがでしょうか?」


彼女の後ろに回り込み、一緒に鏡に映る。
華々しいヘアメイクをした現在の結愛には敵わないが、茉莉花もくりっとした目元が愛らしい顔立ちだ。癖のあるセミロングの髪は、仕事の邪魔にならないようアレンジして緩くひとつにまとめている。

ところが、にこやかに微笑みかけた茉莉花と対照的に、鏡の中の結愛はひどく浮かない顔をしていた。花嫁らしからぬ表情だ。


「どこか気になるところがありますか?」


腰を屈めて鏡の中の彼女に問いかける。
リハーサル通りに仕上げたつもりだが、本番当日だからこそ気になる部分が出てきてもおかしくはない。


「荒牧様、なんでもおっしゃってください。すぐにお直しいたします」
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