クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

「ありがとう。要は何時頃帰る?
もし直ぐなら少し待つけど。」

「今夜は大学の会議があって、多分8時過ぎになってしまうと思います。
要さんには連絡を入れておきますので、先に食べて下さい。」

「そうなんだ。要も結構忙しいんだな。
要には俺から連絡入れておくよ。」
そう言って、背広の上着を脱いでソファにかけ、ネクタイを緩める翔は既にくつろぎモードだ。

紗奈は急いで背広を預かりハンガーにかけ、カレーの準備とお茶を翔に入れる為、キッチンへ行く。

「冷たい麦茶かコーヒーどちらがお好みですか?」

「外、暑かったから麦茶がいいな。」
翔は人懐っこい笑顔でソファに座りながら答える。

「要は俺みたいにあんまり喋らないでしょ?何考えてるか分からない所あるし、迷惑かけてない?」

「要さんは、私にとても良くしてくれます。
優しいですし、いろいろと助けてもらっているので頭が上がりません。
少しでも私も要さんの役に立ちたいんですけど、ご飯作るくらいしか出来なくて…申し訳ないです。」

「君は素でそう言ってるんだ。」
へえーと目を丸くして驚く翔の言葉の意図が分からず、紗奈は首を傾げる。

「君は、普通にいい子なんだね。
擦れてなさそうだし、そう言う素朴な所に要は惹かれたのかな。」

子供っぽく思われたのかな?
それても田舎者って思われてる?
紗奈は恥ずかしくなって顔が赤くなるのを隠し俯く。

「褒めてるんだよ。
今どき珍しいくらいピュアだからさ。なかなか俺の周りには居ないよ。」
何て答えていいか迷い、曖昧に微笑む。

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