クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「特に、予定はないので、大丈夫ですけど…。」
ちょっと引き気味で紗奈は答える。

先生達とご飯って緊張するし、
松島君だって今日会ったばかりだ。

しかも、女子1人って…どうしよう…

「中山さん。最寄りの駅から歩きでどのくらいですか?」

「えっと、15分くらいだと思います。」

「じゃあ。やっぱり帰った方がいい。
今からでも、家に着くのが9時近くになってしまいます。」

要が心配そうに言うので、確かにそうだと思って紗奈は考える。

「すいません。
私、やっぱり帰らないと明日もありますし、また次の機会でお願いします。」

「そんなに遠いとこに住んでるんだ。
大変だね。女の子だし早めに帰った方がいいよ。」
白石も納得して頷く。

「えーー。
残念。俺、紗奈ちゃんと一緒に夕飯食べたかったなぁ。
先生に囲まれて説教とかやだなぁー。」
紗奈とどうにかして仲良くなりたい松島は本気でガッカリする。

何が楽しくて先生と飯食べなきゃならないんだ。と松島はため息を吐く。

「松島君は去年、確か単位がギリギリで大変でしたからね、今年は真面目に来ないと大変な事になりますよ。」

要の言葉でますます落ち込む。

「まぁまぁ。男3人で仲良く語らいながらたべましょうか。
アジフライ定食、マジでお勧めだから。」

仮にも准教授がマジとか言うなよ。
っと要は呆れながら、
「とりあえず、駅まで送りますよ。」と紗奈に笑いかける。

「自分はまだ仕事が残ってるので、食べたら直ぐ戻りますから。」
冷めた声で男2人にはそう告げて歩き出す。

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