クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

「自分の事はどうでもいいでしょ?知った所でつまらない人間ですから。

それより、定食屋混み始めてますよ。
早く席取った方が良さそうです。」
正門から駅までは5分とかからない近さの為すぐに着いてしまう。

要は白石と松島に席を確保する様に勧め、
紗奈を駅まで送ると伝えて、テキパキ有無を言わさず行動に出る。

「中山さん、行きますよ。
駅もこの時間混みますから、気を付けて。」

さっさと男2人から紗奈を半ば強引に引き離す。
「白石先生、松島君、それでは失礼します。
また明日。」

紗奈も急いで2人に挨拶をして、要の後を追いかける。

残された男2人は呆気に取られながらも、定食屋に足を進める。

「要くん、ああいう感じで、いつもサラッと上手くかわされちゃうんだよねー。」
白石は頭を掻きながら松島に話す。

「普段、真面目で堅物な印象でしょ?
でも、実は結構イケメンで肝心な所はサラッとかわして、いい所持ってっちゃう感じなんだよ。
絶対プライベートはモテると思うんだよね。
本当、謎多き男で気になる存在なんだよね。」

白石が日頃からスマートで抜け目ない要の行動を不思議に思っている。

飲みに誘ってもいつも断られ、自宅の場所さえ未だ知らない。
そのくせ、白石の事は結構知られていて、プライベートで女性とトラブルになると、さっと出てきて上手くまとめてくれたりと頭が上がらない。
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