クールな御曹司の溺愛ペット【続編完結しました】
「こいつ塚本屋の熱狂的ファンでさ、塚本屋を盛り立てたいって熱い熱い。それなのに副社長の秘書はすぐに交代するもんだから目の敵にしてて~クククッ」

「だってあんなに仕事に不真面目な人たち、塚本屋にいらないですよ」

「お前が真面目過ぎなだけだろ」

先輩にからかわれ、ほのかに高田さんの頬が染まる。
何だかとても新鮮なものを見ている気がしてまじまじと凝視してしまった。するとその視線に気づいた高田さんがキッと私を睨む。

「とにかく、あなたが副社長の秘書であること、認めるわ。今回の人助けで塚本屋の株も上げてくれたしね」

「えっと、……ありがとうございます」

偉そ~とまた笑われる高田さん。
偉そうでも何でも、認められることは素直に嬉しいと感じる。

「その、高田さんは一成さんのことが好きだから私のことをライバル視されているのかと思っていました」

「はあ?違うわよ。一成さんのことは好きだけどそういう好きじゃないし」

「そうそう、塚本屋のこと好きすぎて副社長のこと神格化してるだけ。気にすることないよ」

「先輩!べらべらしゃべりすぎです!」

またもやからかわれ頬を染める高田さんが何だか可愛らしく見えてきた。
あんなにあった苦手意識が少し薄れるような、そんな印象。

思わず微笑むと、一成さんと目が合う。
あたたかい目をした一成さんは、一歩引いて社員さんたちを見守っていた。
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