黒い龍は小さな華を溺愛する。
「したくなったから。嫌だった?」
「い、やじゃないけどっ……」
「じゃ、いいな」
そう言って、気が動転してる私に再び軽くキスをしてきた。
「ちょっ!常盤くん!?」
「やば、おもしろ」
面白い!?
私は頭の中がパンクしそーなのに!
でも嬉しい気持ちの方が勝っていて。
これがファーストキスだったらどんなに良かっただろう。
ふと相羽くんと伊田くんのことを思い出してしまって気持ちが沈んだ。
やばい、常盤くんにバレないようにしなきゃ。
彼は勘が鋭いから。
「は、恥ずかしいよ……」
笑ってるふりして下を向いた。
大丈夫、常盤くんはミケと絡んでるから気付いてない。
私が泣きそうになっていることに。
あの出来事が夢だったらよかったな……。