黒い龍は小さな華を溺愛する。
確かに自分が蒔いた種だけど……。
「こいつのせいじゃねーと思うけど」
え……常盤くん、庇ってくれてる?
「常盤!お前もなぁ、久しぶりに来て早々困らせるなよ、どっか蹴ったんだって!?」
「あー、そんなん大したことないから」
「大したことあるだろ!壊すなよ!?いくら首席だからって……」
と言いかけて口を濁す先生。
今首席って!?
やっぱり本当だったの!?
「……まぁ、もう授業も始まるし2人とも今日中に反省文提出しなさい、それ見てまた話を聞くからな。あと常盤はちゃんと制服を着ろ!」
そう言って私達は解放されたけど、さっきの先生の言葉が頭から離れない。
教室までの道のりを沈黙のまま歩く。
どうしよう、なんか話した方が……。
常盤くんの後ろを少し離れて歩いているけど、やっぱり背が高い。
180以上はあるのかな、スラッとしててモデルみたいだ。