黒い龍は小さな華を溺愛する。
「早すぎません……?」
「そんなことねーよ、昨日も言ったけど変わりたいんだろ?」
「はい……」
「じゃ、善は急げじゃねーの」
そうかもしれない、迷ってる理由はないもの。
この最悪な状況のままでいるくらいなら……。
ふと視線を感じてみると、相羽くんがこちらを見ていた。
というか、睨んでいる。
きっと私と常盤くんのことを不審に思っているんだろうか。
相羽くんが持っている画像さえ消えてくれれば、ビクビクしなくてもすむのに。
私は目を逸らして、前を向いた。