私の想いが開花するとき。
「俺、お前のことずっと好きだったのに。なに俺の知らない間に結婚しちゃってんの? 困るんだけど」
「え……こう、んっ……」
宏太の手が伸びて里穂の頭を掻き抱く。ぐいっと少し強引に寄せられ、言葉を塞がれた。ずっとずっと触れてみたかった、ずっと知りたかった宏太の熱に今触れている。夫の健治ともしたことがない深いキスに心が破裂しそうでじわりと瞳に涙が浮かんできた。
宏太の柔らかな唇が里穂の小さな唇を啄み、舌を吸い上げてくる。自分が夫以外の、ずっと好きで気持ちに蓋をしていた相手と官能的なキスをしていることにひどく興奮した。求められることがこんなにも嬉しいなんて。瞳に溜まっていた涙がツーっと頬を伝ってぽつんと落ちた。
宏太の腕が腰に周りきつく里穂を抱きしめる。だめだ、夫がいるんだから抵抗しなくちゃ、と脳裏に浮かぶが浮かぶだけでなかなか身体が言うことを聞かない。宏太と触れ合えていることが嬉しくて、宏太に女として求められていることが嬉しくて、身体が燃えるように熱く、鼓動が壊れそうなほど早く動いている。
(あぁ……このまま宏太の胸に飛び込みたい……)
蕩けてしまいそうな思考回路は宏太への隠していた恋心が溢れ出していた。