俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
「光一さんは朝が弱いから、いつもぎりぎりにならないと起きてこないんですよ」

紅茶を飲みながら、美桜さんが微笑んだ。

「そうなんですか。意外です」

なんとなく光一さんは朝からシャキッとしているイメージだった。

私は光一さんをなにも知らなかったんだな、と今さらながらに思う。

「実は隆成くんのほうがしっかり者ですよね」

「……あの、美桜さんは隆成さんをよく知っているんですか?」

昨日は隆成さんの話にならなかったら訊けなかったけれど、気になっていた。

「隆成くんは私の同級生なんです。私が光一さんと知り合ったのも、隆成くんがきっかけで」

美桜さんいわく、中学一年生のときに隆成さんと同じクラスだったそうだ。

そこへ中学三年生の光一さんが隆成さんの忘れ物を届けにやって来て、それをたまたま代わりに受け取ったのが美桜さんだったという。

かっこいい先輩で有名だった光一さんのことはもちろん知っていたけれど、初対面のその瞬間に恋に落ちたそうだ。

そして光一さんのほうも彼女に惹かれ、今に至るという。

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