俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
光一さんが整った顔立ちをしているし、弟の隆成さんもイケメンらしいと以前から噂されていたそうだが、実際に本物を目にするとあまりのかっこよさに声を失うほどだったという。

「ねえねえ相馬さん、副院長って家ではどんな感じなんですか?」

「プライベートの副院長、めちゃくちゃ気になる!」

興味津々で質問された。

「家でも完璧に素敵な旦那さまなんでしょう?」

私は愛想笑いを浮かべて口ごもる。

完璧に素敵な旦那さまだなんてとんでもない。

新妻が一生懸命作った初めての手料理を気持ち悪いと罵ったのだ。

おまけに上から目線で、『俺に〝抱いてください〟って哀願してくるまで待ってやる』とか、『嫌いな男に抱かれたくなければ、一刻も早く俺を好きになれ』などという、エゴイスティックなことを言われた。

でもそれをここでぶちまけるわけにはいかない。

「えっと……内緒です」

なんとかそう返事するも、ブーイングの嵐だ。

「えー! のろけてくれていいのにー!」

のろけることがなにもないとは、口が裂けても言えなかった。


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