俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
その日の夜。

リビングで寛ぐ隆成さんを、少し離れたところからじっと見つめる。

今まで意識していなかったけれど、たしかにそこにいるだけで絵になる。

医師としても素晴らしいのだろう。

そういえば、昔から彼の周りには男女問わず人が集まっていて人気者だったのを、今さらながら思い出す。

「なに見てるんだよ」

不意に怪訝な目を向けられ、ビクッとした。

「別に見ていないです」

「嘘つけ。ずっと舐め回すように凝視してたくせに」

……気づいていたなら早く言ってくれればいいのに、相変わらず性格が悪い。

「隆成さんって弱点はないんですか?」

「出し抜けになんだよ」

「なんとなく……」

みんなが言っていた通り、彼には非の打ち所がないかもしれないけれど、弱みもないのだろうかと気になったのだ。

「俺の弱点を知ってどうするつもりだ」

「別にどうもしないですけど……」

彼の美点より、弱点を聞きたいと思うのはなぜだろう。

こっちに来いと、そばに呼び寄せられた。

ためらいがちにソファの隣に座ると、柔らかな表情で髪を撫でられる。

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