俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
診療案内を終えた受付窓口から、「きゃー!」と黄色い悲鳴が聞こえる。

医療事務員仲間の瀧石さんたちだ。

「聞いた? 今の。『俺だけのプリンセス』だって」

「聞きました! 自分のことじゃないのにキュンとしちゃったんですけど! 副院長ってクールだと思っていたんですけど、奥さんにはめちゃくちゃ甘いんですね!」

「あれは先にアシェルさんが『君のプリンセスは……』って言っていたから、合わせただけだと思います」

私は慌てて反論した。

現に今まで一度もそう呼ばれたことはないし、二度と言われないだろう。

「照れない照れない。ああ、貴重な瞬間見ちゃったわ。今日はいい夢が見られそう」

みんな私そっちのけで盛り上がっている。

隆成さんのせいでしばらく話のネタにされそうだ。


退勤後、近くのスーパーで日用品の買い物をして帰宅したとき、隆成さんから電話がかかって来た。

『今アシェルといるんだが、連れて帰ってもいいか?』

「はい、お待ちしています」

突然で面食らったけれど、すぐに了承した。

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