俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く～ドＳな旦那様の甘やかし政略結婚～

「まあ元々、日本に帰ってしまえば、連れ戻すのは不可能だろうと思っていたんだけどね。リュウセイにとって、チサトより大切なものはないから」

「え？」

「『え？』って、それはどういう反応だい」

アシェルさんは首をかしげた。

返答に窮していると、彼が話を続ける。

「もしかして、自分がどれほどリュウセイに愛されているのか、自覚していないのかい？　リュウセイはその腕一本でどれだけの人命を救えるとしても、迷わずチサトへの愛を取る男だよ」

それは医師としてどうなのだろうとは思わなかった。

それくらい私を大切にしてくれているのだと、胸がじんとする。

やっぱりこの頃の私は、隆成さんに心を惹かれている。

「ああ、そうそう。この間の写真をプリントしたから渡しておくよ」

アシェルさんが差し出した封筒には、先日浅草で撮ってもらった私と隆成さんのツーショット写真が入っていた。

「わあ、ありがとうございます」

「被写体がいいから、どれも絵になっているだろ」