空に溺れた君を探して。


私は昔から人づきあいが苦手で、



友達は一人できれば良いほうだった。



そんな性格は高校生になっても変わることはなく、



もう4月も終わろうとしているのに、友達はまだ一人もいない。



結局、新学期が始まったばかりでまだこの生活にも慣れないこの時期は



毎日のように夕焼けを眺めに来ていた。



今日の夕焼けもきれいだ。



カシャッ。


カメラのシャッター音は、私のため息とともに空に消えていった。



小学生のころのクリスマスにカメラをもらってから、


気づくと画像は空でいっぱいだ。



きれいだと思った時はいつでも写真に撮りたくなってしまうので、



カメラは学校にも持って行って、常に持ち歩くようにしている。



―5時になりました。遊んでいる子供たちは…―



もうそんな時間か。



帰らなきゃ。



どうして学校にいる時間はあんなにも長いのに、



公園での時間はこんなにも早く過ぎてしまうのだろう。


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