大人ってズルい
イザベラがそう言うと、石像は「よろしい」と言い、校長室のドアが開く。壁に可愛らしい猫の絵が飾られ、上品な調度品が並んだ校長室では、ダイアナが何やら仕事をしているところだった。

「お母様」

イザベラが声をかけると、ダイアナは顔を上げて「来てくれたのね」と微笑む。ダイアナはソファへと移動すると、「テーオ!」と言いながら杖を振る。すると、テーブルの上に温かい紅茶とクッキーが現れた。

「せっかくだし、紅茶でも飲みながら話しましょう」

「ありがとうございます、お母様」

ダイアナと向かい合うようにイザベラは座り、ティーカップに口をつける。独特なコクと甘みを楽しんでいると、ダイアナが口を開く。

「それで、イザベラは何か悩んでいるの?どこか夕食の時もボウッとしていて……。ひょっとして、レオンのことかしら?」

いきなり核心をつかれ、イザベラの肩がびくりと震える。レオンのことが頭に浮かび、イザベラの頬がどんどん赤く染まっていく。凪いでいた心は、ダイアナの一言によって完全に乱された。
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